「たくさん食べても太らない」「周りからうらやましがられるけれど、実は体重を増やしたい!」そんな悩みを抱えている方はいませんか?
人の体型は実に多様で、生まれ持った体質(遺伝など)に大きく左右されます。その中でも「体質性やせ」という特性があることをご存知でしょうか。これは、ダイエットや過度な運動をしているわけでも、痩せたいと考えているわけでもないのに、長期間にわたって低体重の状態が続く体質的な特徴のことです。
体質性やせの方は一般的に体重が増えにくい傾向がありますが、ホルモン分泌や月経周期は正常に保たれていることが多いとされています。18~29歳で日本人女性の痩せている方の約40%が、意図的な減量行動をしていないという報告もあり、体質的な要因の存在が示唆されています。
体質性やせは病気ではありませんが、長期的な健康管理において注意すべき点があります。最も重要なのが骨の健康です。低体重の状態が続くと骨密度が低下するリスクがあり、若年期に十分な栄養を摂取できていないと、将来的な骨粗鬆症や骨折のリスクを高める可能性があります。
体質性やせの方は概ね健康な方が多いですが、定期的な健康診断を受け、骨密度測定や血液検査で栄養状態を把握すると良いかもしれません。また、総エネルギー摂取量だけでなく、ビタミンDやカルシウムなど、骨や全身の健康に重要な栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。
体質性やせは生まれ持った特性であり、それ自体を責める必要はありません。重要なのは、自分の体の特性を理解し、それに合わせた適切なケアを行うことです。体型の多様性を受け入れながら、将来にわたって健康を維持するための知識と習慣を身につけることが、健やかな人生を送る鍵となると思います。