2025年4月17日(木)、女性の低体重と低栄養に関する新しい疾患概念である
FUS
(Female/Underweight/
Undernutrition Syndrome:女性の低体重/低栄養症候群)が日本肥満学会より発表されました。
日本では、若年女性の約2割が「痩せ(低体重)」とされる体格であり、これは先進国の中でも高い割合となっています。
低体重や低栄養は、様々な健康リスクに繋がることが報告されており、近年では糖尿病や肥満症の治療薬である「GLP-1受容体作動薬」を適応外使用する安易なダイエット法などが社会問題にもなっています。
FUSの要因
個々の要因は多岐にわたります。
痩せ願望や個々の体質、経済的要因など、さまざまな要因が組み合わさってFUSの状態が形成されます。
これまで個別に考えられていた身体の不調を「痩せ」や「栄養不足」が原因の1つとして見なし、
早期に気付いて対応できるようにすることが重要と考えられます。
痩せ願望を持つ人
体重減少への意識を持つ人には、自己評価の低さやメディアからの影響が背景にあることが多いと考えられています。
そのため、身体や食生活に関する知識が必要であり、学校や家庭でのサポートが不可欠です。
健康教育プログラムやカウンセリングを通して、健康的な体重維持の重要性を認識してもらう取り組みや、適切な食事と運動のバランスを整えることが必要です。
体質的に痩せている人
体質的に痩せている人には、遺伝的な要因や代謝の速さが背景にあると考えられます。
一般的には健康的な方が多いのですが、骨密度の低下が認められることもあり、運動や栄養に関して意識を高めることが重要と考えられます。
必要に応じて、医療機関での定期的な健康診断を通し、骨密度の維持に努め、栄養士による指導を受けながらバランスの取れた食事を目指すことが推奨されます。また、適度な運動による筋力の強化も健康維持に役立ちます。
経済的に困窮している人
経済的に困窮していることにより、FUSとなる可能性もあります。
このような状況では、フードバンクや子ども食堂などの社会的な支援が必要と考えられます。
これらの支援は、特に栄養バランスの良い食事を提供することを目指しており、経済的困窮による健康被害を抑制する助けとなります。また、地域コミュニティとの連携を強化し、支援を受ける人々にとってアクセスしやすい環境を整備することも大切です。
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FUSの影響
痩せや低栄養は、骨及び身体の成長、筋力の維持、将来の妊娠・出産、さらには高齢期の健康にも深く関与しています。
痩せや低栄養に対する健康チェックやサポートが十分ではないことは、現行制度の問題点として挙げられます。
■骨の脆弱化
若年期に適切な骨密度が形成されないことが考えられます。その結果、高齢期に骨折のリスクが増大する恐れがあり、骨粗鬆症のリスク上昇につながります。
■栄養不足による不調
直接的に健康に悪影響を与え、貧血や免疫機能の低下を招きます。風邪をひきやすくなったり、慢性的な疲労感に悩まされることがあります。
■筋力低下
栄養不足や過度の痩せは、筋力の低下を招き、体力の低下や将来的には怪我や寝たきりのリスクが増加することがあります。
■精神的及び身体的な不調
倦怠感、睡眠障害、抑うつ、集中力低下などの症状を伴うことがあります。これらの精神的及び身体的な不調は、日常生活の質を著しく低下させることがあります。
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■生理不順
ホルモンバランスに悪影響を与え、月経不順や月経停止を引き起こすことがあります。これにより、妊娠困難や不妊症のリスクが高まる可能性があります。
■身体のバランスの乱れ
ホルモンバランスや血糖値、コレステロール値の異常を引き起こすことがあります。これにより、糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。
■摂食障害
痩せ願望が過度に強くなると、食事が苦痛に感じられることがあり、食生活が極端に制限されることがあります。これは摂食障害の一因となり、長期的にはさらに深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
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今後の取り組み
痩せすぎや栄養不足は、見た目の問題だけではなく、将来の健康や人生全体に大きく影響します。
FUSという概念をきっかけに、早期に気付き、社会全体で支える仕組みを作ることが必要です。
ガイドラインの作成
FUSに気付くためのチェック項目や判断基準の作成が必要と考えられます。
これには、適切な体重範囲、栄養素の摂取基準、身体の健康状態に関する指標が含まれると考えられます。
専門家の協力を得て、ガイドラインを全国的に普及することで、医療機関や教育現場での早期発見と対応を促進しすることが望ましいでしょう。
健康診断での対応
FUSを検診で見つけて対応できるよう、既存の健康診断に骨密度の検査や食事状況の確認などの項目を追加することが必要になる可能性があります。
また、医療従事者への教育を強化し、FUSに対する高度な知識と理解を持つことで、早期の介入が可能となると考えられます。
教育や企業との連携
学校教育での正しい身体の知識の普及を進めるとともに、美容やファッション業界とも協力して、偏った美のイメージを変える取り組みを行うことが有益と考えられます。
教材の改定や研修の実施を通じ、健康的な体重管理の重要性を若年期から理解することが大切です。
また、企業と連携し広告やメディアでの美の基準を見直し、多様な美の基準を受け入れる社会へと変革させていくことが重要です。
国のプロジェクトと連携して社会全体で取り組む
国の健康づくりプロジェクト(SIP)とも連携し、研究・教育・情報発信を進め、科学的研究を推進し、FUSの原因と影響を詳細に解明する必要があります。
さらに、その成果を教育現場へと展開し、正しい知識を普及させることが重要です。
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2025年 4月24日
【最新動向】
マイウェルボディ協議会と一般社団法人ラブテリ から「日本人痩せ率と不定愁訴の実態」に関するプレスリリースが発表されました。
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2025年 4月18日
【最新動向】
日本肥満学会から 女性の低体重/低栄養症候群(FUS)に関するステートメントが発表されました。
詳細はこちら
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関連文献情報
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